私に恋を教えてくれてありがとう【下】
27 そして鐘は鳴る
―――某吉日―――
ぼさぼさ頭の祐樹を急き立たせ
向かった先で、華子はおしどりの留袖を身にまとい
祐樹の元へと向かった。
祐樹はモーニングで細見の身体によく映えた。
「遅くてごめんね!
お父さんよく似合ってる!」
ぱんぱん!とどこか陰気な祐樹の背中を叩いた。
「母さんもな」
「本当!?ありがとう!」
ぼそりとお化けの様に言った祐樹の前で、華子はおきゃんなポーズをした。
「ほら!親族紹介始まるから早く行くぞ!」
祐樹は何故か頬を赤らめて、華子の方を向けなくなっていた。