私に恋を教えてくれてありがとう【下】
立ちあがった祐樹は、エヘンッといっちょ前に紹介を始めた。


「えー…私が新婦、そらの父であります

 白石祐樹でございます。

 では紹介をさせて頂きます。

 
 まず……」



華子は立ち上がり笑顔をつくった。


「“愛妻”の華子でございます」


「!?」



そらと華子は一緒の顔だった。

なんせ耳まで真っ赤になり、祐樹の方を勢いよくキッ!と見た。



が、祐樹はなんとも穏やかに微笑んで

その顔からは、本当に愛しているという感情が描かれていて

ドヤっとしていた親族一同、頬を赤らめ

華子は祐樹の愛に負けなかった。


「“愛妻”でございます。本日は どうぞ宜しくお願いいたします」

そうきっぱりと告げ、笑いの渦が巻き起こった。




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