私に恋を教えてくれてありがとう【下】
紹介が終わり暫し、控室で待機している間

親類から

“いい挨拶だったよ!”と告げられ

華子達の結婚式かの様に思われた。



式は壮大なチャペルで厳かに行われ

祐樹はバージンロードを泣く泣く歩いた。


そして披露宴と移り、きっとこだわったんだろう

ゲストにとってやさしい披露宴となっていたのだが

事は終盤に起こった。

百合がスピーチを始めると思われたのだが……

「それではお手紙が届いております……

 えー……送り主は

 新郎様の元彼女様でございます」


一同は目を真ん丸くし、ざわざわとした会場で

そらのひんやりとした視線の先の新郎淳一郎は

やや血色が悪くなっているようだったが

顔は笑顔のままであった。



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