私に恋を教えてくれてありがとう【下】

「“淳一郎君へ。


 淳一郎君、この度、ご結婚おめでとうございます。
 
 まさかあなたが白石さんと結婚するなんて思いもしませんでした。

 昔からあなたは自分勝手な所があったりして

 私を困らせていましたね?”」



淳一郎はますます蒼ざめた。



「“でも、それは私の気をひきたかったんだと後から教えられて

 本当にびっくりしました。


 いつも不器用なあなただけれど、いつの間にか私は

 そんなあなたを他の人にとられたくないと思う様になっていました”」


淳一郎はそらの方を見た。


「それが始まりだったのですが、今はそれとはまた違う気持ちでいます。

 ただ、あなたと一緒に居たい。

 そして支え合い、大切なものを築きたいです」


そらは立ち上がり、手紙を読み上げていた。


「幸い子宝にも恵まれ、今、ここに最愛のあなたとの新し命を宿しています。

 ……この子が誕生したら、一緒に愛を教えて行きましょう。

  そして、素敵な恋をさせてあげましょう。

  私が母に教えてもらったこの気持ちをこの子にも教えてあげましょう。

  一緒に…… 



  元彼女、今井そらより」







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