私に恋を教えてくれてありがとう【下】
なーんだと言う会場の喝采の中、
祐樹と華子は寄り添い合い温かくそら達を見詰め
淳一郎はというと嗚咽を上げ涙していた。
……あっという間だ。
披露宴も幕を閉じ、招待客のお見送りをした後
そらが慣れないドレスをわさわささせ、華子の元へ駆け寄った。
「おかあさん!おかあさん!!」
腕を掴まれた華子は隅へ連れて行かれ
そらは華子に一通の手紙を差し出した。
「?なによ?」
「昨日、淳一郎宛で病院に来たの、これ……」
手にした封筒を裏にすると目に飛び込んできたのは……。
「……!ごめん……ちょっと……抜けるわね?」
「うん、5分位で帰って来てね!」
華子は、先ほどの人並みが嘘のようにひいた
野外の鐘の下でそれを開けた。