私に恋を教えてくれてありがとう【下】
祐樹という帳の中で
華子は安全な温かみに身を溶かし
それと同時
どうやっても消化出来ない気持ちが大きくなっていった。
華子は自分の出生を呪った。
こんな年の差がなければ……
普通の恋人同士だったら……!!
祐樹にも牧田のことを話すべきか?
……いいや、言えない。
大切な友達なら話しても構わないだろう?違う華子が誘いかける。
しかし、口は重くなる一方でしかない。
私を牛耳っている心からの指令か
自動にシャッターは閉まる音が
響いた。