愛のない世界
次に面倒臭い男。


それは、モノに自信の無い男だ。


モノに自信が無い分、前戯が異常に長い。


さっさと入れて、さっさとイって欲しいのに…。


前戯も長ければ、勿論、後戯も長い。


「ウザイッ!」
そこでも叫びたくなる。


しつこい行為の後に待っているモノ。

それは、彩香を質問攻めにする行為だ。


「ねぇ、俺って良かった?」

「どこが、良かった?どこ?」

「本当に、良かった?」

一向に終わらない質問。

彩香を、更に苛立たせる。


―いいの?本当のコト言っても、イイの?
じゃ、遠慮なく言わせて頂くわ―


「全然、良くねぇーよ…。ウザイッんだよっ!ヘタクソッ!!」
と言えたなら…。

どんなに、スッキリするか…


欲求不満の躰と心。


彩香は、ストレスが溜まる一方だった。




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