愛のない世界
「ウザイっ!ヘタクソっ。そんなショボいもん見せんなっ!」


今までガマンしてきた言葉を、いつの間にか彩香は口にしていた…。


今まで抑えていた感情が、一気に爆発する。

一度爆発した感情は、彩香にはどうするコトも出来なかった。


目の前にいる男に、積もり積もっていた今までの感情をぶつけていたのだ。


罵って罵って罵って、罵りまくる。

その男とは、全く無縁で関係ないコトまで…。


勝手に彩香の口から、スラスラ出ていたのだ。


本当は、こんなコトをしている自分が悪いのに…


本当は、彩香自身が悪いのに…



彩香は、誰かを傷付けて傷付けて、傷付けたかった。


それは、男なら誰でも良かったのだ…


男なら、誰でも…





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