愛のない世界
― 最悪 ―

彩香は、そう呟いていた。


自分の馬鹿さ加減にも、腹が立つ。


そして、自分自身に向かって毒突いた。



― 自分で自分を、呪い殺したい。


― この世から、いなくなればイイのに…


― いっそうのコト、あの時あのまま…。


彩香は、もう一人の自分に言葉を投げ掛けた。


― あんたなんて、いなくなればイイのに…。
そしたら、もっとラクに生きられたのに…。
あんたなんか…、あんたなんか…、消えちゃえばイイのに…。―






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