愛のない世界
『それなら、特定の男を作ればいーんじゃない?』
と、言われるかもしれない。

いつでも彩香を、抱いてくれるからだ。


しかし彩香には、特定の男と言うモノは煩わしいだけだった。


特定の男に限定すると言うことは、ただ気を使い他人本位になってしまうというコトなのだ。


でも、不特定多数の男だと、気を使う必要も無いし、自分本位にコトを進められる。


気楽でいいし、何より後腐れなく別れられる。


こんな楽な付き合い方は他にない。


単なるワガママだと、言われてもイイ…。


彩香は、自分さえ良ければそれで良かったのだ。


多分この先も、特定の誰かと付き合うコトは無く、不特定多数の誰かと付き合っていくのだと、彩香はそう思っていた。




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