愛のない世界
愛したい…

でも、傷付きたくない…


揺れる心は『愛』と『傷』を、比重に掛けていた。


『好き』
違う、『好きじゃない』

『愛してる』
いや、『愛してない』
これは、愛じゃない…

愛なんかじゃ…ない…

そう、これは夢。

儚い夢を、見ているのだ…。


儚い夢…。


そう思いながらも、彩香の心は裏腹に男を愛し始めてる。


否定すればする程、心はチグハグに昂り抑え切れないでいた。


頭では分かっている。

なのに…

躰は正直だった。

男と絶頂を迎えるたび、彩香は男への愛情は増してゆくばかりだった…



そう、心も躰も…


愛したい…


そして、愛されたい…



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