愛のない世界
彩香は、男を精一杯の力で腕を首に絡ませ、抱き締めた。


男もまた、彩香を精一杯の力で腕を首に絡ませ、抱き締めた。



互いが互いの雫を飲み干し、痛みが永遠の快楽へと変わる様に。


真っ白な肌が、真っ白な心が、深紅に染まる様に、互いを求め続けた。



そこに、愛があるから…


そこに、愛が見えたから…


手を伸ばすと、ほらそこに、愛が届く場所にあるから…


イケそうな気がした…

イケる気がした…


イクことが…




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