Pinky2
「てゆーか、美緒、あんたあんなに足速かったっけ?」


そりゃ、練習したんやから。



「頑張ったもん!」


「そー、そー。こいつ、俺が食べる飯より練習のが大事みたいな感じやったしな…。」

と、啓が言うと


「で、久々にラブラブしようとした所を邪魔されたら不機嫌にもなるわな。」



とさっ君が言った。


「ちょ、話戻すなや!」


啓は照れたまんま英二とさっ君と先に行ってしまった。


のこされた奈々が私に聞いた。


「鈴ちゃん、大丈夫だった?」


「あー…、色々あったけどなんとか。」

また何かされそうで怖いけど…。


「あの子もビックリだねー。あんな事するなんて。」

奈々が言ってるのは啓にキスした事かな?

さっきのグルになって私に恥かかせようとしてたのは、知らないんやから。


「時間が経てばなんとかなるやろ。」


そう言って私は笑った。



それから私たちは午後の体育祭も楽しんだ。



「あー!疲れたぁ!!」


「ほんまやなぁ。でも、後はお楽しみだけやん!」


やっと念願のお泊まり!


てか、学校で皆と一緒に一夜を過ごすなんて楽しすぎやろ!


早くその時間になれへんかなぁ。



私は疲れなんか忘れてはしゃいでいた。


そのとき、クラスメートに職員室に券を渡してきて欲しいと頼まれた。


券と引き換えに教室のカギをもらいに行くのだ。


リレーで大活躍した啓は、皆にワイワイされてて連れていける状態じゃなかったから、仕方なく私は1人で行くことにした。
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