Pinky2
それから5分後…


男子がぞろぞろと上がってくる頃には、俺は外に出ていた。


「うわ…やっぱ寒ぃ…。」


俺は美緒に外で待ってるとメールして、頭も乾かさずに外に出てきてしまった。

入口で待ってると誰かにバレるかもしれへんから、少し人目に付かない場所にいた。


10月下旬だからか、夜は昼間と違って寒い。



「啓っ…。」


あ、この声!



「美緒っ!!」


「ぅわっ!?」


俺は小走りで嬉しそうに走ってくる美緒を見て、思わず抱きついてしまった。


美緒の髪の毛いい匂いする…。

あー…なんか…

我慢出来へん!!



「な、何いきなり…?…んっ!?」


俺はいったん、離れようとした美緒の唇に自分の唇を押し当てた。


「…ん…けぃ…。」


「ごめん。我慢出来んかった…。」


なんか急に恥ずかしなってきた。


「あ…わ、私…その…ぅれしかった…から。」


え?

今なんて??

今のはキスが嬉しかったってことなんか?


俺は美緒の顔を覗き込んだ。


美緒は耳まで真っ赤っかになってて…


可愛い…。


んでも、んな黙られたらこっちまで恥ずかしくなってくるやん。


俺も少し自分の足元を見たとき…



パサ…

…え?


少し目線を上げると、美緒が持っていたタオルで、俺の頭を拭いてくれていた。





「……。」


黙って美緒をじーっと見ていた。

美緒もその視線に気付いて、恥ずかしそうな顔をする。


美緒よりも背が高い俺の頭を拭くために、かなり背伸びして一生懸命拭いてくれてんのがわかる。


その仕草が可愛くて…

愛しくて…



俺は急にまたキスしたくなった。


もっかいキスしたって怒らへんよな…?



チュ…




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