Pinky2
俺が隙を見て不意打ちキスをすると、困ったような、恥ずかしそうな顔をした美緒。


…もうちょい困った顔が見たかったりもするけど…。

これ以上は止めとくか。



それからは生徒に見つからないように過ごす…なんてのはさすがに無理で…。


少しの間しか一緒にいれなかった。



「なんやねん。少しくらい心遣いあってもええやんけ。」


「まー、まー、そうカンカンすんなって、啓。」


学校に戻ってきて、また皆でゲームをしていた。



英二も他人事みたいに言いやがって…。

こんなことならこんなイベントなくてもええわ!



「なー、啓。」

「あ?」


いきなり名前を呼ばれ振り向くと、


「…佐久間…。」


それから俺は外に呼び出された。
「さぶっ!」


もう夜の10時や。


「呼び出して悪いな。」


「そう思うならさっさと話済ませろ。」


俺は別にイラついている訳ではないが、結構ズバッと言った。


それを聞いた佐久間はばか笑いしだした。


…なんで笑ってんねん、こいつ。



「…何やねん。」


あかん、つられて笑ってまう。

声が震えるやん。



「いや、やっぱ啓はええなぁと思って。」


…は?


俺はいきなりの告白に唖然とした。


なんやこいつ。

なんか…気持ち悪いな。


「変な意味ちゃうぞ?…俺が美緒ちゃんの事好きなん知ってても、態度かえへんやん。」

「…ふつー…、そういうもんやろ…?」


そんなんで態度変える奴なんかおるんか?



「哀れむとかさ、同情するとかあるやん…色々。」


「ねーよ。」


「ある奴もいんだよ。」

またもやキッパリ言う俺に、佐久間はまた笑だした。
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