Pinky2
絡んできた人たちはしぶしぶ去っていった。

「大丈夫?美緒ちゃん。」


…へ?



それはそれは綺麗な黒髪のかっこいいお姉さん。



あ!

もしかして…


この人…






「渚(ナギサ)さん!?」



「あ、覚えてくれてたんだ。」

そう言ってその人はにっこり笑う。



うわー…変わってへんなぁ。


渚さんはお兄ちゃんの元カノ。


「渚さんも相変わらずかっこいいですね!変わってないです!」

「あら、美緒ちゃんはずいぶんと大人美人になったわね。昔から可愛いとは思っていたけど。」

「い、いや…そんな事ないですよ。」


「見違えたわ。」



私が空港で見かけた人はきっと渚さんや。


「でも、なんで沖縄にいるんですか?」

「あぁ、仕事関係でね。」


「そうなんですか。大変ですね。」

「ま、自分で決めた道だから。」




…あれ?

今少し元気のない表情になった気がする。

なんか渚さんらしくなかった。



「おい!美緒ー!」

「あ、啓!こっちやで!」


私を見つけた啓は小走りで駆け寄ってきた。



「あら…美緒ちゃんの彼氏?」

「あ、はい!風岡啓です。」

いきなり話をふられてとっさに答える啓。


そのあわてっぷりが可愛かった。

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