Pinky2
「昼休み…教室に…。」



あ、お土産を渡しに行った時の事か。

相変わらず口数がすくないなぁ。

「うん。沖縄に行ったから、そのお土産を渡そうと思って。」


私がそう言った瞬間、一瞬だけ南の動きが止まった。


すると




ガシッ!!



「誰とっ…!!?」

いきなり肩を捕まれて、大声を出された。


こんな焦っている南を見るのは初めてだから、ビックリし過ぎて声を出せなくて…

「…。」



私はぼんやりと南の顔を見ていた。

南も視線をはずさなかったが、それは数秒間の間だけ。


すぐに視線を下に落とした。

「…なんでもない。忘れて。」


「え?みな…」

私が声をかけても振り返ることもなく行ってしまった。


「鈴ちゃんに渡したから、家で食べてなー!」

曲がり角を曲がって見えなくなった南に叫んだ。



聞こえたんかな…。
反応ないし…。



でも…あんなに慌てるなんて…

そんなに沖縄行きたかったんかな。


そんな事を考えながら家に帰った。
< 53 / 140 >

この作品をシェア

pagetop