Pinky2
俺は待っている間に、段々眠たくなってきた。


そして美緒が帰ってくる頃まで寝てしまっていた。



ガチャ…


「ただ…まー…。」


微かに聞こえる美緒の声。
でも眠たくて返事をしなかった。



すると…




ガタガタッ!!


「きゃあ!!やっ…やめてや!待って!!」



ガバッ!



みっ…美緒!?



俺は飛び起きた。




すると、視界に飛び込んできたのは酔っぱらいに押し倒されている美緒。



俺は無我夢中でそいつに飛び掛かった。


「何してんねんっ!!!」


「うっ…。」


そいつを殴り倒した後、美緒に抱きついた。


「け…い…。」


「……。」


勢いだけで体を動かしたから、息が上がりすぎて返事ができなかった。


美緒の声が震えている気がする。


俺はいつもより、きつくきつく抱き締めてやった。


そのまま1分ぐらい動かなかった。



…震えが治まってる。

よかった。



さっきの酔っぱらいはまた寝てしまっている。




美緒に触れていいのは俺だけや!!


勝手に触んな!


「俺、今から絶対寝ずにお前見守ってるから、安心して飯つくれよ。」



「…ありがとう。」



寝ちゃっててごめんな。


この時、ちょっと自分に腹がたった。

< 67 / 140 >

この作品をシェア

pagetop