Pinky2
すると、家の前に誰かが立っているのが見えた。


「誰や?」

「さぁ…。私にも分からへん。」


女の人っぽいけど…。





段々近づいていくと、誰だか分かった。




…あ!渚さん!!



「こんにちはっ!」

「どうも。」


渚さんは私と啓の声にビックリしたのか、振り返ったその顔は真っ赤だった。


そして私は聞いた。


「なんでこっちに居るんですか?沖縄じゃ…。」


「仕事で4日間あっちに行ってただけなのよ。」




「そうやったんや。それで、今日はどうしたんですか?お兄ちゃんに用事ですか?」



「あ…そうなんだけど…、いないみたいね。」




お兄ちゃん、いつも仕事で遅いからな…。


待たせるのも悪いしなぁ。



「お兄ちゃんが帰ってくるまで家入って待っておきますか?」



と一応聞いてみた。



「ありがとう。でも、いいわ。また今度来るわね。」


そう言って渚さんは笑ったつもりやったやろうけど、私には悲しそうな顔にしか見えなかった。




「あーあ。行ってもたで。」

「うん…。」



お兄ちゃんと何かまだあるんかな…。

私には何にも出来へんのかな…。









「美ぃー緒はよ飯作れ。作らないとキスな」



は!?

今真剣に物事考えてたのに!



「もう!アホか!!」


「うわっ、ごめんって。」


そうして家に入った。
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