紙飛行機が届けた詩



「…人違いでした。ごめんなさい…でも、似てますね!声」


あたしはその人の顔を見て言った。


失礼だと思うけど、似てないんだもん。



目にかかるほどの前髪。
ボサッとした髪。
大きな丸い黒縁眼鏡の奥の瞳は、あたしをじっと見つめていた。


茜空が彼の存在感を深めた。



「…よく言われる」


彼は口を開いた。



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