紙飛行機が届けた詩
--いいこと思いついた!
「あなた、大学案内してくれませんか?」
あたしは彼の前に立ち、両手で彼の手を握った。
「…っ」
ちょっと、いやかなり引いてるよ…
まぁいい。
「お願いします!…えっと…名前は…」
「…城谷[シロタニ]」
迷惑そうに名前を名乗る彼だが、半分諦めている様子が伺える。
「よろしくお願いします!」
押して駄目なら押し倒せってね。
あたしは、本当に押し倒すんじゃないかって思うくらいに迫った。
「…はぁ、いいよ」
彼は嫌々ながらOKしてくれた。
辺りはすっかり闇に包まれていた。