紙飛行機が届けた詩
サングラスを通してでも
今こいつがどんな顔をしているのか、手に取る様にわかる。
虎牙は整った顔をより美しく見せる笑顔を向けた。
頬が少し紅潮している。
周囲に気付かれないことが嘘の様だ。
「やっと笑った。さっき、顔、恐かったぜ」
両頬をつままれ、思いっきり引っ張られる。
「いでっ!」
眼鏡がずれる。
俺は虎牙の手を振り払った。
「…おまえなぁ…いてぇんだよ」
頬を摩りながら言った。
(多分、今の俺はりんごになったんじゃないかと思う程、頬が赤いだろう)