紙飛行機が届けた詩
「どこ行きたいか言って」
城谷さんはズボンの
ポケットに手を突っ込んだ。
6月の日差しが、彼の仕草を鮮明にした。
「うち、ファッションショー見たい!」
友愛が挙手した。
城谷さんが一瞬止まった。様に見えた。
「とりあえず、
ファッションショーは午後からだから。他は?」
「飛鳥、雨音飛鳥
[アマネ アスカ]の演舞が見たい。」
雅が静かに呟く。
「あす…雨音君の演舞は11時からか。まだ少し時間があるな…桜庭[サクラバ]さんは?」
城谷さんはパンフレットを見ながらあたしに尋ねる。
「んーっと…あっ、これ。これが良いです!」
そう言ってあたしはパンフレットを指した。