紙飛行機が届けた詩
なんでこうなった。
おれは人を掻き分けながら考えた。
-これが良いです
桜庭さんはおれたちのファンだって言ってたんだから、こうなることくらい予想出来ただろ。
今、芸能科の出店している"夢の舞咲"へ向かっている。
「ちゃんと付いて来てる?」
後ろを振り向くと、雨音さんと永田さんはおれの後をピッタリ付いて来てる。
後ろの方で押し潰されそうな桜庭さん。
しょうがない。
「ちょっと端で待ってて」
二人を壁際に寄せ、彼女の所に向かう。
その時、彼女が前につんのめった。
危ない!
おれは走った。
-トスッ
間に合ったし。
彼女がこっちを向いてない間に、ずれた眼鏡を正す。
「…大丈夫?
こっち」
そのまま彼女の手を引いた。