紙飛行機が届けた詩
秘密の詩


「おい虎牙。あんなことして、後でおれが何も言わないとでも思ったのか?」




スタイリストが髪型をセットている間、おれは隣で同じように髪をいじられている虎牙を睨んだ。




「まぁまぁ、良いじゃねぇか。


これを気に帝は元に戻るのであった。めでたしめでたし」





「めでたしじゃねーっつーの」


ふざけた風な態度に腹を立てながら、きつ目の声で言う




「おぉ、こわっ」




こいつに何言っても無駄だな。



ため息をついて鏡に目線を戻す。





「そうそう。帝、どうやって女子高生巻いた?」



鏡越しに目が合う。


「巻いた訳じゃないし」



「じゃあさ、何て言ってこっち来たんだ?」





おれは、ほんの30分前の出来事を思い返す。


< 45 / 61 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop