紙飛行機が届けた詩
秘密の詩
「おい虎牙。あんなことして、後でおれが何も言わないとでも思ったのか?」
スタイリストが髪型をセットている間、おれは隣で同じように髪をいじられている虎牙を睨んだ。
「まぁまぁ、良いじゃねぇか。
これを気に帝は元に戻るのであった。めでたしめでたし」
「めでたしじゃねーっつーの」
ふざけた風な態度に腹を立てながら、きつ目の声で言う
「おぉ、こわっ」
こいつに何言っても無駄だな。
ため息をついて鏡に目線を戻す。
「そうそう。帝、どうやって女子高生巻いた?」
鏡越しに目が合う。
「巻いた訳じゃないし」
「じゃあさ、何て言ってこっち来たんだ?」
おれは、ほんの30分前の出来事を思い返す。