紙飛行機が届けた詩
「城谷さん、ファッションショーは一緒に見ないんですか?」
「…クラスの用事があるから」
「だって、ショーの後はお楽しみですよ!
来ますよね?」
キラキラした目で見ないでほしい。
おれにも良心はあるんだから。
「…ごめん。無理」
「そんなぁ…」
桜庭さんは肩を落とす。
「用事があるんだ。無理にとは言えないだろ」
雨音さんがフォローに入る。
「だってさ…」
おれは頭をかく。
「…どうしても無理なんですか?」
永田さんが尋ねてくる。
「…ごめん」
女子高生を二人も落ち込ませてしまい、おれの良心もかなり痛い。
空気が重い。
最初に痺れを切らしたのはおれだった。
「…わかった。用事が済んだら控室に向かう。
これでいい?」
彼女達の顔が明るくなるのと反対に、おれは守れない約束に後悔していた。
後悔先に立たずだ。