紙飛行機が届けた詩
「おっ!やっと決心したか」
ここまで話している間に、髪のセットも終わった。
会場ではショーが始まったようだ。
盛り上がりを観客の声が知らせる。
おれと虎牙は席を立ち、衣装の最終チェックに入る。
「…決心した訳じゃない。
ライブ後は帝としては控室に行かない」
「おまっ…!」
「動かないで!」
驚いて勢いよくこちらを向く虎牙に、服飾科の生徒から喝が入る。
「すみません…
何でだよ。もう良いじゃんか」
「ばれると後々面倒だろ」
「でもよ…」
「OKです」
衣装チェックが終わり、スタンバイの位置に移動を始める。
「もうこの話はやめやめ。
大和!龍!」
おれはスタンバイ済みの大和と龍のところに向かった。
「…まぁ良いか」
虎牙もスタンバイが完了した。
「Blue Heartsの皆さん準備OKです!」
「よっしゃ。じぁあ行きますか」
ライトアップされたステージへ、四人は歩き出した。