蒼い月の雫
プロローグ
桜台 松陽学園(さくらだいしょうようがくえん)
この学園の高等部1学年に里田 狼(さとだ らん)はいた.
彼女は時計を見ながら誰にも聞こえないように呟いていた.
(5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・
・・・・・・0!!)
キーンコーンカーンコーン・・・
「起立,礼!」
終業のチャイムが鳴り,生徒達は立ち上がる.
皆各自で帰り支度を始めた.
「狼ー!一緒に帰らない?」
友人が声をかけてきたが断った.
今日は月に一度,狼が楽しみにしていることがあるのだ.