蒼い月の雫
ドォォォンッッ


落ちた・・・
防御体勢に入っていたがもの凄い衝撃だった.
骨が折れる独特の音と,臓腑がグチャグチャに掻き回される感覚.
だが,バラバラになるよりはマシだろう.

機体は,墜落と同時に炎上.
乗客は・・・恐らく生存者はいないだろう.


流れてきた機体の破片にしがみ付いて火の来ないところまで泳いだ.

目の前に誰かの手首が流れてきた.左手だろう.
薬指に真新しい指輪が嵌めてある.
新婚旅行だったのだろうか.何にせよ,こんな事故に巻き込まれて不幸だったろう.

400人という人間の人生を奪った「轟」.
絶対に許しはしない.必ず,必ずこの手で葬ってやる.

その為には,生き残ってある人物に会わなければ・・・
そう・・・「狼」・・・
彼女の・・・もとに・・・


・・・・・
・・・


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