蒼い月の雫
もしも自分があの飛行機に乗っていなかったら.
狼の両親も他の乗客達も死ななかったのではないだろうかと.


スルリと狼の額を撫でた.


「悪かったな・・・」

小さく呟き,目の前の窓の外を見る.
静かな夜の町が広がっていた.

そして,視線を狼に移そうとした時だった.


ガラッ!

「!?」

いきなり窓が開き,一人の少女が入ってきた.


「いたぁーー!お兄ちゃん!!」


真っ白・・・というよりキラキラと輝く銀色の腰まである髪,
満月のように金色に光る瞳.
背丈は小学1,2年生くらいだろうか.かなり小さい少女だった.


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