蒼い月の雫
化け物は手足の筋肉を収縮させる.
場の空気が一気に張り詰めたような気がした.

パンッ・・・と音がして街灯の灯りが割れた.
周囲が闇に包まれる.

そして・・・


『ギャァァッッ!』

化け物が口を開けて飛び掛って来た.
狼は反射的に目を閉じた.自分は死ぬ.何故か冷静に考えてしまった.

その時

「伏せろ」


男の声,否高さからいって少年の声がした.
狼はとっさ伏せた.

頭上で少年と化け物がぶつかった.


『ギャァァッッ!』


どう見ても少年のほうが小さい.だが,化け物のほうが吹き飛んだ.



「消し飛べ」

少年は両手を前に突き出すと化け物に向かって火の玉のようなものを放った.
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