蒼い月の雫
『グアアアッ』


化け物は跡形もなく消し飛んだ.


「立てるか?」

少年が手を差し出してきた.
狼は少々戸惑いながらもその手を取った.


「ありがとう・・・」

その時狼は少年が肩をケガしているのに気付いた.


「ケガ・・・さっきぶつかった時かな?」

少年は肩を見て,今更気が付いたようだ.


「あ・・・ホントだ・・・まぁこのくらいは平気だから」


そう言って付着していた血を手で拭った.


「アタシの家近いから・・・ケガ手当てしてあげる.おいでよ」


少年は驚いたように狼を見た.







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