蒼い月の雫
「へ?・・・アタシが・・・何?」


いきなり「お前か・・・」と言われてもなんと答えていいのか分からない.


「覚えてないのか?」


そう言うと,狗音はいきなり狼を壁に押し付けた.


「ちょっ・・・何すんのよっっ!」

狗音は構わず狼の額に2本の指を当てた.


「思い出せ・・・」


ズブリ・・・と指が頭の中に入ってくる感覚がした.
まるで,頭の中身を掻き回されているような感じだった.
だが,不思議と心地よかった.


フワフワとした浮遊感とともに,狼の意識は一旦途切れた.
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