溺愛ドロップス



耳を疑うような――…いや、耳を疑ったそのセリフ。



なんてことなくサラリと唇を開き言われたセリフの語尾近くの言葉の意味はわざわざ聞かなくったって浅い知識の中、知っていた。



だから、知っているからこそ『…っは!?』まだ呼吸も正常には戻っていないのに反応しないわけにはいかなくて。



つか、女の子に対して何聞いてんだこいつ。



「だから処女だろって聞いてんだけど。」

『そ、んなこと…!!』

「処女だな?」

『…っ、』

「ハッ、当たりだな。」

『…〜っ違います!!』

「……は?」

『処女…、なんかじゃないです…!!』



ぎゃー!なに言っちゃってんのあたし!?



答えてもないのにさも当然かのようにあたしを処女だと決めつけてきた男の子にムカッときちゃったあたし。



まぁ言われた通り処女は処女なんだけどさ。



聞いといて答える前から処女だと決めつけられちゃあムカつくし、ハッと鼻で笑われたことが悔しくて。



根っからの負けず嫌いなあたしは気付いたら嘘っぱちを言っていた。



それに男の子は間の抜けた声を零す。


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