溺愛ドロップス



それだけは絶対に勘弁で。



今日の朝も早く起きれるよう前の日の夜は8時には寝たし、それでも起きれる自信がなかったあたしは目覚まし時計を6個セットして大音量の中目が覚めた。



それなのにこんなことになるなんて…。



今の時間だったらもう自転車で学園近くまで行って、もしかしたら着いちゃってるかもしれないのに。



…って、あぁ!こんなこと思ってしょんぼりしてる暇なんかないんだったっ。



『制服制服っ。』



ハンガーに掛けられているまだ1回しか着たことがない真新しい制服を手に取り、ルームウェアを慌てて脱ぎ捨てそれを身に着けていく。



白いワイシャツに青チェックのプリーツスカート。紺のブレザーを羽織って胸元には可愛らしいリボン。靴下は黒ハイソが鉄則。



出したままだった化粧道具をポーチに詰め込み鞄の中に入れて、忘れ物はないか確認したらよしっ!



バタバタと足音を豪快に鳴らしながら部屋を飛び出し階段を一気に駆け下りる。



一階に下り立ち、リビングに入れば、そこにあるのはいつもの見慣れた風景。



「雫ー。時間やばいんじゃない?」


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