好き?キライ?…どっち?
しばらくして寝室のドアが開く気配がする


日向さんが入ってきて小さな声で私を呼んだ


「姫…」


私は返事をしなかった


「寝ちゃったのか…」


起きてるけど、今更起き上がれず、緊張で体が震える


ギシッ…


ベッドが少し沈み、日向さんがベッドに座ったことを知らせた


多分、私に背中を向けているだろう


溜め息が聞こえる


「姫〜お腹空いた…起きて?」


「………」


「姫〜ご飯だよ〜」


日向さんが布団の上から私の頭をポンポンする


いい加減、寝たフリはやめようと思った私は、今、気付いたような芝居をした





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