好き?キライ?…どっち?
「お母さんの?」


「そ…俺の母親はさ…花が好きで、いつも花に囲まれた生活をしていた。だから花言葉も母親に教えられた」


私は日向さんがスミレの花言葉を言った時のことを思い出した


「素敵なお母さんだね。私のお母さんとは比べ物にならないよ」


「もう…いないんだけどね…」


「え?」


「俺の母親は…父親との旅行先でさ…今頃、花がいっぱい咲いている天国にいるんだろうな」


日向さんが立ち上がって窓際に向かって歩いた


「あの…ごめんなさい…私…」


「こんなこと話したの…姫が初めてだよ…ごめん。楽しい時間を台無しにしてしまって…」


「─…じゃない…」


「ん?」


日向さんが私の方に近付いてきた





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