純恋
そんなある日知らない番号から
携帯に電話がかかってきた
「はい?もしもし」
『あ…紗瑛?』
携帯の奥から聞こえてくる声は
紛れもなく大好きな空の声だった
「そ‥空?」
あたしは少しどもりながらも
携帯を握りしめたまま一生懸命に応えた
『今どこいる?』
「え?家だけど?」
『紗瑛ん家の近くの公園まで
ちょっと来れる?』
なんでだろ‥?
電話が来たことにいっぱいいっぱいだったあたしは
何がおきるかなんて分かっていなくて
とりあえず外に出て公園へ行き辺りを見渡した。
「あ‥」
そこには寒くないように
服を着重ねた空がいた―…