純恋



「俺‥紗瑛に告白しに来た
俺じゃ貴仁くんの変わりになんか
なれないだろうけど‥

紗瑛の心の隙間
埋めてやれないだろうけど‥

紗瑛を笑顔にして
やれないかもしれないけど‥

俺は紗瑛が好きです。
俺が紗瑛を笑顔にしてあげたい

紗瑛を幸せにしたいから

付き合ってください」



気付いたらあたしの目からは
涙があふれ出てきた





「…紗…瑛も」





小さな小さな声で言ったのに
空はきちんと聞き取れてて

真っ暗だったのにあたしが泣いてるって
ちゃんと気付いてて


空は服の袖で涙を拭いてくれた



< 93 / 143 >

この作品をシェア

pagetop