純恋



こうやって2人で帰るのが習慣で
付き合って1ヶ月が過ぎた頃だった



「‥ぜ!?」


空が大声で怒鳴ってる



―‥あたしに。



男と話してるとこを見られただけだよ?


「ご…ごめん」


「謝るくらいなら最初からするなよ!!」



―‥バチンッ



「そ‥ら?」



あたしは何故か痛い頬をおさえ
わけも分からないまま
ハッ…としている空に問い掛けた



「紗瑛‥ごっごめんな!?
マジ俺‥何やってんだろ」



空があたしを抱きしめた
あたしはホッとして涙を流した


もう叩かれない‥


そう信じて




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