Tea..
人から見えずらい所でいつも座って話していた。前のように,そこを覗くと寒いのか上着の袖で手を隠すように伸ばしてマフラーを巻いた宏樹が座っていた。
とりあえず隣にしゃがんで『遅くなってごめんね…??』と声をかけた。
宏樹は童顔で可愛い顔をした人だった。
でも今は少し大人びた雰囲気をしていた。緊張した美羽は宏樹から目をそらした。
「来ないかと思った…この前,駅で彼氏がいるって聞いたときホントに,もう無理なんだって思ってたし…」
前に里奈と駅で話しているときに,たまたま宏樹が傍にいた。それを知りながらワザと修の話をしていた美羽は宏樹が言った言葉に期待してしまった。
『ごめんね…でもワザと言ってたんだよ,聞いて嫉妬したりするのかなって思って言ってた…でもどうして,イキナリ会おうと思ったの…??』
宏樹は頭をかき,息を吸った。
「俺だって美羽とキスしたら嬉しかったし,やり直したいって思った…でもその時には彼氏が出来てた…」
去年の8月の末に別れた2人の理由は,宏樹の就職の為の勉強や部活で会えなかった事による美羽の不満からだった。美羽は忙しい宏樹に対して『本当は好きじゃないんだ』と思うようにもなっていた。そして出会ったのは5月,,就職を関西の方に決めていた宏樹と九州に住む美羽にとっても,その時点で付き合っても1年は無理な事は分かっていた。
『そっか…なんかごめんね…』
「全然良いよ!頑張れって思うし!」
そう言う宏樹は心からそう言わなかった…久しぶりに近くで見た美羽に緊張し,今は手に入らない美羽の心に帰りたくなった。そして気持ちを伝えられた美羽は,今会えない修ではなく宏樹への残っていた気持ちが膨らんでいた…。
「お願いあるんだけど…」
久しぶりの宏樹の真剣な顔,『ん…?』と小さい声で答えることしか出来なかった。
「最後に抱き締めさせて…?」
浮かんだ数週間前の修の顔。でも目の前にいる大好きだった元カレの顔,うつ向いて微かにうなずいた。約6ヶ月ぶりの宏樹の腕の中で美羽は目を閉じる…
ずっと夢見てきた宏樹,宏樹を忘れられると思って付き合ってきた修…修の事を愛していたケド,その気持ちよりもっと大きい存在の宏樹。美羽は涙を流し宏樹の腕の中で声を出して泣いた。
とりあえず隣にしゃがんで『遅くなってごめんね…??』と声をかけた。
宏樹は童顔で可愛い顔をした人だった。
でも今は少し大人びた雰囲気をしていた。緊張した美羽は宏樹から目をそらした。
「来ないかと思った…この前,駅で彼氏がいるって聞いたときホントに,もう無理なんだって思ってたし…」
前に里奈と駅で話しているときに,たまたま宏樹が傍にいた。それを知りながらワザと修の話をしていた美羽は宏樹が言った言葉に期待してしまった。
『ごめんね…でもワザと言ってたんだよ,聞いて嫉妬したりするのかなって思って言ってた…でもどうして,イキナリ会おうと思ったの…??』
宏樹は頭をかき,息を吸った。
「俺だって美羽とキスしたら嬉しかったし,やり直したいって思った…でもその時には彼氏が出来てた…」
去年の8月の末に別れた2人の理由は,宏樹の就職の為の勉強や部活で会えなかった事による美羽の不満からだった。美羽は忙しい宏樹に対して『本当は好きじゃないんだ』と思うようにもなっていた。そして出会ったのは5月,,就職を関西の方に決めていた宏樹と九州に住む美羽にとっても,その時点で付き合っても1年は無理な事は分かっていた。
『そっか…なんかごめんね…』
「全然良いよ!頑張れって思うし!」
そう言う宏樹は心からそう言わなかった…久しぶりに近くで見た美羽に緊張し,今は手に入らない美羽の心に帰りたくなった。そして気持ちを伝えられた美羽は,今会えない修ではなく宏樹への残っていた気持ちが膨らんでいた…。
「お願いあるんだけど…」
久しぶりの宏樹の真剣な顔,『ん…?』と小さい声で答えることしか出来なかった。
「最後に抱き締めさせて…?」
浮かんだ数週間前の修の顔。でも目の前にいる大好きだった元カレの顔,うつ向いて微かにうなずいた。約6ヶ月ぶりの宏樹の腕の中で美羽は目を閉じる…
ずっと夢見てきた宏樹,宏樹を忘れられると思って付き合ってきた修…修の事を愛していたケド,その気持ちよりもっと大きい存在の宏樹。美羽は涙を流し宏樹の腕の中で声を出して泣いた。