足跡たどって
「待たせてごめんね。お店の人が、飲み物間違えてて。」
・・・それって、わざとだろうな。
不満げに口を尖らせる若菜ちゃんを見て、なんとなく店員さんの気持ちが、分かる気がした。
「じゃあ、俺は、戻るわ。」
言いかけた言葉を引っ込めた一平ちゃんは、呼び止める暇もなく、足早に行ってしまった。
「あれ、日吉君じゃん。どうしたの?」
さっき散々騒いでいたわりにやっと一平ちゃんの存在に気が付いた若菜ちゃんが、不思議そうに言った。
「班の女子達が、土産屋で動かなくなちゃったから、つまらなくて抜けてきたんだって。なんか絶叫系も苦手な子が多くて、何にも乗れてないらしいよ。」
そういえば、どうして一人だったんだろうと思った私の代わりに石川君が、答えた。
「王子様も大変だね。その点うちらは、チームワークばっちりで、楽しいよね。」
若菜ちゃんは、前田君の手をぎゅっと握る。
「うん。」
前田くんも珍しく笑顔で素直に答えた。
わが班の身勝手カップルを見て、私と石川君は、ため息をついた。
ブルブル。
ポケットに入れた携帯のバイブ音が、鳴った。
開いてみると、由美ちゃんからだった。
・・・それって、わざとだろうな。
不満げに口を尖らせる若菜ちゃんを見て、なんとなく店員さんの気持ちが、分かる気がした。
「じゃあ、俺は、戻るわ。」
言いかけた言葉を引っ込めた一平ちゃんは、呼び止める暇もなく、足早に行ってしまった。
「あれ、日吉君じゃん。どうしたの?」
さっき散々騒いでいたわりにやっと一平ちゃんの存在に気が付いた若菜ちゃんが、不思議そうに言った。
「班の女子達が、土産屋で動かなくなちゃったから、つまらなくて抜けてきたんだって。なんか絶叫系も苦手な子が多くて、何にも乗れてないらしいよ。」
そういえば、どうして一人だったんだろうと思った私の代わりに石川君が、答えた。
「王子様も大変だね。その点うちらは、チームワークばっちりで、楽しいよね。」
若菜ちゃんは、前田君の手をぎゅっと握る。
「うん。」
前田くんも珍しく笑顔で素直に答えた。
わが班の身勝手カップルを見て、私と石川君は、ため息をついた。
ブルブル。
ポケットに入れた携帯のバイブ音が、鳴った。
開いてみると、由美ちゃんからだった。