足跡たどって
Step6:たまにはね
「花ちゃん!」
お化け屋敷を出ると、待ち構えていた由美ちゃんに抱きつかれた。
「心配したよ。それもこれも石川君が、頼りないせいだからね。」
由美ちゃんは、私に抱きついたまま、石川君をじろりと睨んだ。
落ち込んでいる石川君を見るにどうやら、作戦は、失敗らしい。
「ごめん、小糸ちゃん。俺、小糸ちゃんが、お化けが苦手だったって知らなくて。」
飼い主に叱られた子犬のような顔で石川君は、私に謝った。
「ちゃんと、話しておかなかった私が、悪かったんだよ。由美ちゃんもごめんね。心配させて。」
そう言って、由美ちゃんの柔らかい髪に顔を埋めた。
「花ちゃんが、無事ならいいんだ。それから、石川君が、反省を態度で示してくれるそうです。」
いきなり、機嫌が良くなった由美ちゃんは、石川君に目配せした。
「ソフトクリームをおごらせていただきます。」
もう既に二人で話し合っていたようで石川君は、間髪入れずに言う。
それでも、仲良く売店にソフトクリームを買い行く二人の後姿を見て、ある意味作戦は成功したのかかもしれないと思った。
二人の姿が、見えなくなると、私は、一平ちゃんと向き合った。
「あのさ。一平ちゃんは、私のこと好き?」
その言葉は、思ったより、ずっと簡単にするりと私の口から出た。
それは、多分、なんとなく答えが、分かっていたからで。
お化け屋敷を出ると、待ち構えていた由美ちゃんに抱きつかれた。
「心配したよ。それもこれも石川君が、頼りないせいだからね。」
由美ちゃんは、私に抱きついたまま、石川君をじろりと睨んだ。
落ち込んでいる石川君を見るにどうやら、作戦は、失敗らしい。
「ごめん、小糸ちゃん。俺、小糸ちゃんが、お化けが苦手だったって知らなくて。」
飼い主に叱られた子犬のような顔で石川君は、私に謝った。
「ちゃんと、話しておかなかった私が、悪かったんだよ。由美ちゃんもごめんね。心配させて。」
そう言って、由美ちゃんの柔らかい髪に顔を埋めた。
「花ちゃんが、無事ならいいんだ。それから、石川君が、反省を態度で示してくれるそうです。」
いきなり、機嫌が良くなった由美ちゃんは、石川君に目配せした。
「ソフトクリームをおごらせていただきます。」
もう既に二人で話し合っていたようで石川君は、間髪入れずに言う。
それでも、仲良く売店にソフトクリームを買い行く二人の後姿を見て、ある意味作戦は成功したのかかもしれないと思った。
二人の姿が、見えなくなると、私は、一平ちゃんと向き合った。
「あのさ。一平ちゃんは、私のこと好き?」
その言葉は、思ったより、ずっと簡単にするりと私の口から出た。
それは、多分、なんとなく答えが、分かっていたからで。