足跡たどって
Step7: Mr. 前田
「一平ちゃんは、私のことが好きらしい。」
「そんなの誰でも知ってるよ。」
私の突然の宣言を聞いた前田君は、つまらなそうに突っ込みを入れた。
隣の席に座っている前田君は、算数の授業中なのにゲームをしている。
机の下のPSPから発せられる人工的な青い光が、メガネに映っている。
相変わらず、暗い奴だな。
小学生から、これじゃあ、日本の未来は、お先真っ暗だ。
大体、前田君は、知ったかぶりをしている。
若菜ちゃんの話を聞くまで、一平ちゃんの顔すら知らなかったくせに。
「一平ちゃんて、短気な上に寂しがり屋なの。」
前田君は、何も言わない。
ゲームに熱中しているのだろう。
「だから、私が避けたら、怒ったみたい。怖いのなんのって。般若っていうのかな。」
「般若は、鬼女の面だよ。」
前田君は、訂正をした。
やっぱり聞いてたんじゃん。
「じゃあ、鬼みたいだった。」
「俺から見たら、小糸の方が鬼だと思うけど。」
「どうして?」
「好きな人に避けられるとか最悪だろ。自覚してるなら、なおさら鬼。」
乙女に向かって、鬼とはなんだ。
大体、前田君と異性の話をしていても、恋バナっぽくないのは、前田君のキャラクターのせいか。
くどくはないけれど、ちょっぱすぎる。
「そんなの誰でも知ってるよ。」
私の突然の宣言を聞いた前田君は、つまらなそうに突っ込みを入れた。
隣の席に座っている前田君は、算数の授業中なのにゲームをしている。
机の下のPSPから発せられる人工的な青い光が、メガネに映っている。
相変わらず、暗い奴だな。
小学生から、これじゃあ、日本の未来は、お先真っ暗だ。
大体、前田君は、知ったかぶりをしている。
若菜ちゃんの話を聞くまで、一平ちゃんの顔すら知らなかったくせに。
「一平ちゃんて、短気な上に寂しがり屋なの。」
前田君は、何も言わない。
ゲームに熱中しているのだろう。
「だから、私が避けたら、怒ったみたい。怖いのなんのって。般若っていうのかな。」
「般若は、鬼女の面だよ。」
前田君は、訂正をした。
やっぱり聞いてたんじゃん。
「じゃあ、鬼みたいだった。」
「俺から見たら、小糸の方が鬼だと思うけど。」
「どうして?」
「好きな人に避けられるとか最悪だろ。自覚してるなら、なおさら鬼。」
乙女に向かって、鬼とはなんだ。
大体、前田君と異性の話をしていても、恋バナっぽくないのは、前田君のキャラクターのせいか。
くどくはないけれど、ちょっぱすぎる。