校舎の向かいの木村サン

ん?



ちゅーか、彼女どうしてんねん。







光くん

私ん家きて良かったん?



知ったらかなしむんちゃう?





「ん……じゃあな。清深(きよみ)も来いよ。あぁ……じゃ」






清深?





やっぱ彼女やん。




「ごめん。今作るから。


「…なぁ光くん。私ん家きて良かったん?大丈夫なん?彼女とか、怒るやろ。私のことはホンマええんやぞ?」



「あ?なに言ってんの?俺、彼女いないぞ?」


「え?そうなん?じゃあ清深って誰や?」


私が聞いたとたん、眉毛と眉毛の間にシワをよせて、真剣な顔になった。
「あ……ぁ…清深は…兄貴の……………婚約者…。」










は………?















「こんやくしゃ……?」




「あぁ……。」




「陽佐くんって彼女いーひんちゃうの?」


「……………」




「どういう意味やねん。わけわからん。」



「兄貴は好きじゃないみたいだけど、親父が勝手にきめて……可哀想だよな。好きでもないひとと、将来生きてかないってなると……。」






「………………」






こんやくしゃ………










こんやくしゃ………










こんやくしゃ………
















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