mirror

「何?」


「い、いえ! 何でも無いです…」


「そう?  ほら、俺が出てるよ。」


そう言ってスクリーンを指差す。



「あ、ホントだ!! ふふっ♪」





本当に変なヤツ。



それから映画は終わり、(始まって5分で熟睡してしまったが)俺達は映画館を出た。





「今日は本当にありがとうございましたっ!!
今までの映画の中で、一番面白かったです。
あたしのワガママを聞いていただき、本当にありがとうございました!!」



深々と頭を下げて、アイツが言う。


「いいよ。そんな気にしないで。俺も楽しかった。」

ウソだけど。





「じゃ、帰ります。」



ってアイツが言った途端、急に水滴が大量に落ち始めた。



「キャッ!!  ビックリしたぁ…」



なんて天気なんだ…



< 108 / 112 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop