mirror
「じゃ、急いで帰ります!! さよならっ!!」
そう言って大雨の中、走り出す。
「お、おい!! 待てよ!!」
こんな雨の中、夜中に女子高生が一人で出歩くなんて無理だろ!?
時刻も11時を過ぎてる。
「今日は諦めろ。俺ん家に泊まっていけ。
雨だし、終電もないし、それにその足じゃここから駅まで歩けないだろ。」
「…………」
薄々気付いてた。
映画の時、靴を脱いでこっそり絆創膏を貼っていたこと。
その時は暗くてよく見えなかったけど、外に出てよく見ると、白いパンプスのつま先が真っ赤に染まっている。
「でもっ…」
「俺ん家はこのすぐそばだ。急いで乗れ!!」
「…………」
「ほら、早く!!」
着ていたパーカーを脱いでアイツの肩にかける。
そして無理矢理腕を引っ張って俺の首に絡ませ、背負った。