mirror
…
長い沈黙。
永野 恵太は所詮口下手な男だ。
バラエティー番組で達者な話術を使ってる兄貴と比べて、俺は人見知りが激しい。
どうだ。失望しただろう。
沈黙の間、しばらくしてふと隣を見ると、女の顔が曇り始めた。
同時に焦り始める自分…
何だコレ…!?
女が立ち上がろうとした瞬間、
「あのさぁ…、お笑い好き?」
とっさに言葉が出た。
すげえ個人的な話。
言ってから後悔した。
「えぇ、好きですよ!!
はんにゃとかジャルジャルとか!」
何気食いついてる?
てか、はんにゃ最高!
「マジで!? はんにゃいいよな! ズグダンズンブングンゲームとか」
「うんうんうん!!」