ショートケーキ



『恋愛として好き』



恋愛として?
それは恋愛対象って事?


あの夜、神崎が言った言葉が頭から離れない。あの言葉の意味はなんなのか。神崎が私を好きっていう事なのか。



「斎藤、ランチ一緒に食べにいかないか?」


「へ?」


不意に耳に届いた声。目の前には私の上司の加藤さんがいた。


昼?――しまった、考えすぎて仕事するの忘れてた



「だからご飯、食べに行こうって話。」


「あーごめんなさい。まだ仕事終わってなくて。また今度ってことで。」


慌てて机の上に積んである資料に手を付ける。


「――今日ぼっとしてた、よな?もしかしてさ、恋、しちゃったとか?」

『恋、しちゃったとか?』


こい、濃い、鯉―――――――


――――― 恋?



「こ、こい?」


戸惑う事なんていっさいないんだけどとっさに加藤さんに聞き返す。


「そ、恋。午前中俺がアタックしてるにも関わらずボーっとしててさ。俺悲しかったぞ?」


そう笑いながら言う加藤さんは私の方に顔を近づけてくる。私の顔をスルーして耳元へと近づける。


「――――えっ?」



ど、どうゆうこと?

「ま、そうゆう事だから。あとはアイツ次第って事で。」


私から離れた加藤さんは何故か満面の笑みで私を見ていた。


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