ショートケーキ
目を覚まさない君

「おい、何寝てんだよ。お前起きろよ。お願いだからっ、飯誰作るんだよ――俺一人にするなよ―――」


昨日から変だったんだ、珍しく出掛けるし

夜になっても帰って来ないし

心配で心配で眠る事なんて出来なかった

そんな俺に1時に掛かってきた電話


舞からだと思ってる慌てて電話に出る

だけどそれは舞からではなくて病院からの電話だった

俺は急いで車を飛ばしたこうゆう時は進むのか遅くていつもならすぐつく筈の病院も長く感じた


「―――ご冥福を、お祈りいたします」


病室に入ると目を閉じてる舞がいて

触ってみると凄く、冷たくて


「―――ま、い?」


いつもだったら返事をしてくれるのにその言葉は帰って来なくて


「――あの、病院に来る時にこれだけは離さなかったんです。」


看護婦が遠慮がちに渡してきたのは紙袋でゆっくりと中の物を見てみる




『誕生日おめでとう。これからもずっと一緒だよ?



大好き!


舞 』


「馬鹿だろ、お前、お前がいなきゃ―――」


とめどなく溢れてくる涙は止めることなんて出来なくて


「――お前いなきゃ――意味ないだろっ」


紙袋には箱にペアの指輪が入っていて

手に取ってはめてみる

その指輪はちょうどの大きさで指にぴったりだったもう一つの指輪を舞にはめる


「ぴったりじゃんかよ。お前、これの為に?」


でも言葉は帰ってくることはなくて

この出来事が余計舞が二度と帰ってこないという現実をはっきりとうきぼらせた

舞の唇に近づく
そしてそっと、軽くキスをする


『圭太、大好き!』


その瞬間、舞の体温や言葉が体中から溢れて
俺の涙が舞の頬に落ちて
まるで舞が泣いているようにゆっくりと頬をつたった




*目を覚まさないキミ*
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